前回に引き続き、アドセンスについてです。これまでの記事はこちらです。
【2019/1/27更新】2018/10版 Googleアドセンスポリシー、ガイドラインの分析から推測する審査基準 - CrossLife
【2018年10月版】公式ポリシー、ガイドラインを読み込んで、はてなブログで7記事でアドセンス審査通過したときの準備まとめ - CrossLife
前回の最後に書いた通り、はてなブログではアドセンス審査通過が難しいと思った理由を整理しました。
- 1. 審査に通るブログと通らないブログの集計結果
- 2. 審査通過できないブログ一覧で、はてなブログの割合が多い理由を推測
- 3. はてなブログを普通に使うだけで、ガイドラインに違反しそうな項目
- 4. はてなブログを長く続けているとガイドラインに違反しそうな項目
- 5. 終わりに
1. 審査に通るブログと通らないブログの集計結果
まず、審査に通った方のブログサービスを集計した結果がこちらです。
調査方法 :「アドセンス 審査 通過 2018」というキーワードで、Google検索で表示された記事を17件抽出(10/20時点)
備考:実績集計が目的のため、コンサルタントなど方法指南の記事は除外
このように、大半がWordPressとなりました。母数が17件と少ないので妥当性は弱いですが、色々調べている時もWordPressを使っている方が多かったので、感覚的には合っている気がします。
次に、Adsense ヘルプフォーラムで審査に通らない方のブログを集計しました。
調査方法 :ヘルプフォーラムで審査が通らないという問い合わせで公開されているブログURLを33件抽出(10/20時点)
備考:最新の情報を集めたかったので、集計対象は2018年10月1日から20日のフォーラム投稿で関係あるもののみ。
これも33件と少ないので断定はできませんが、はてなブログの割合が半数を占めています。フォーラムの回答者が何度か「はてなブログで合格しづらく見える」と発言されており、自分の経験とも感覚的には合っている気がします。
2. 審査通過できないブログ一覧で、はてなブログの割合が多い理由を推測
全体に当てはまるとは言えませんが、2種類のグラフからは、少なくともこんな傾向が見えます。
アドセンス利用者の大半は、WordPressかはてなブログである
はてなブログで合格した人の割合は低いが、合格できない割合は高い
ところで、アドセンス公式ポリシーのHPではこのような記述があります。
関連性の高い独自のコンテンツを掲載したサイトを作成してください。 Google のウェブマスター向けガイドラインの内容をよくご理解いただき、次のようなサイト運営に関するおすすめの方法を実施してください。
引用元:AdSense ポリシー: 初心者向けガイド - AdSense ヘルプ
1文目の意図は、ユーザにとって有益となる作者独自コンテンツを提供してください、と考えて良いと思います。2文目からは、ウェブマスター向けガイドラインに沿ったサイト構成にしてください、と読めます。
一連の調査をする中で、ヘルプフォーラムに投稿されているブログを多数読みましたが、ユーザにとって無益と思うような記事はほとんどありませんでした。
そもそもコンテンツの価値は読み手の主観で異なるため、明確な基準をつけるのは困難と思います。たとえものすごくニッチな分野であっても広告提供企業がつけばよいですし、現在ニッチでも一般的になるかもしれません。
そうすると、問題は2つめのウェブマスター向けガイドラインではと考えました。これは主にブログのサイト構成(HTMLでどう記述されているか、など)です。
そう考えた時、2つめのグラフではてなブログの割合が多いことが気になりました。そこで、はてなブログを使ったとき、ウェブマスター向けガイドラインに違反しそうな項目があるかを調べてみました。
すると、いくつか違反しそうな項目がありました。これらははてなブログを単に使うだけで発生する場合と、長期間使うことで発生する場合の2通りがありました。それぞれ分けて説明します。
3. はてなブログを普通に使うだけで、ガイドラインに違反しそうな項目
3.1 meta descriptionに何か書いてあると、全ての記事に同一内容が入る
こちらに記載の通りです。どうやら書かない方がよいですね。
はてなブログ設定meta descriptionを空欄にする理由 - ポジ熊の人生記
3.2 固定ページを使うと、Search Consoleの構造化データでエラーが出る
以前書いた通りですが、固定ページをそのまま使うとauthorとupdatedという構造が不足した状態で生成され、これがSearch Consoleの構造化データというチェックツールでエラーになります。
原因と直し方は下記の通りですので、ご参考ください。
【2018年10月版】公式ポリシー、ガイドラインを読み込んで、はてなブログで7記事でアドセンス審査通過したときの準備まとめ - CrossLife
3.3 サイトの表示速度を低下させる要素が複数ある
これも前回の記事で書きましたが、png形式で画像を読み込むとサイズが小さくならない、ブログカードを使うとアイキャッチ画像のサイズ次第で読み込み速度が遅くなる、などがあります。
他にも、はてなスターも同様でアイキャッチに使われている画像が大きいと、スターがたくさんつくほど読み込み速度が遅くなります。
以前、どうしても速度が改善しない記事があり、調べたらはてなスターがたくさんついた記事でした。ありがたいことなのですが、表示速度の観点では残念ながらマイナスになってしまいます。
対策は、はてなブックマークコメント、はてなスターを表示させないことですが、悩ましいですね。
4. はてなブログを長く続けているとガイドラインに違反しそうな項目
4.1 記事が多くなるとtitleタグが重複とみなされる
Search Consoleでは、HTMLの構造チェック結果を見ることができますが、ときどきこのようなエラーがでます。
ここでは合計4つのURLが同一<title>タグを持っていると指摘されています。これらはブログのタイトル一覧を表示するページです。例えば、全記事が40件あって、10件ずつタイトルを表示したとき、4つ生成されるURLです。記事が多くなると当然こうなります。
厄介なことに、これはブログ管理者では直せず、はてなの運営元でしか直せません。しかし、下記の投稿のように直る可能性は低そうです。
はてなブログの「タイトルタグの重複」問題【追記あり】 - 不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」
直すのではなく、Googleのクロール(認識)対象から外すことで解消できる場合があります。下記の記事の「URL パラメータの調整」をご確認ください。
再現性あり!はてなブログのSEO対策 完全マニュアル - AdRegion
記事の中で書かれている設定画面は下記の通りです。
私の場合、2018/9/22に設定し、10/24の夜時点でエラーが消えたのでほぼ1ヶ月かかりました。
4.2 httpからhttpsに変更すると、Search Consoleでの重複判定解消に時間がかかる
最近のWebの世界では、Webサイトは暗号化通信に対応したhttpsにすべき、という考え方が広まりつつあります。下記は解説記事の一例です。
常時SSL(https)化はマストになった!Chrome 68、Chrome 70でWebサイトはどうなる? | 常時SSL Lab. by Zenlogicのファーストサーバ株式会社
しかし、はてなブログの場合、2018年2月22日以前に作ったブログはhttp形式になっています(以下の記事を参照ください)。
ここで、ウェブマスター向けガイドラインを見ると、このような記述があります。
訪問者がページを利用しやすいよう手助けする 可能であれば、HTTPS を使用してサイトの接続を保護します。ウェブ上の通信ではユーザーとウェブサイトとの間のやり取りを暗号化することが適切です。
引用元:ウェブマスター向けガイドライン
「可能であれば」とあるので、必須ではなさそうです。今後の動向を考えると対応した方がよいかもしれませんが、httpsにすると数日後からSearch ConsoleでhttpとhttpsのURLが重複と判定され、インデックス登録から除外されます。
私の場合、前から運営しているブログがhttp形式だったので、2018年8月中旬にhttps形式に変更したところ多数の重複が発生し、2ヶ月経ってようやく減ってきました。
はてなブログの場合、httpsにするとcanonicalタグをつけてくれますし、構造上のエラーは特に出ておりません。ただ、Search Consoleで出てくる「除外」にはいくつか種類があります。その中の1つが「代替ページ(適切な canonical タグあり)」です。
代替ページ(適切な canonical タグあり): このページは Google が正規ページとして認識しているページと重複しています。正規ページへのリンクが正しく指定されているため、これ以上の対処は必要ありません。
引用元:インデックスカバレッジレポート
これは問題なしと読めますが、上記リンクの説明を読むと、それ以外の除外は何かしら問題があると判断されるようにみえます。
実際は全てcanonicalタグをつけているので問題はないのですが、私の例で2ヶ月以上かかっているように、問題なしと登録されるまで長期間要する場合があります。
そうすると、登録されるまで重複記事ありとみなされ審査に通らない、がありえます。
5. 終わりに
アドセンス審査に通るにはユーザにとって有益なコンテンツを準備するのが重要だ、という解説記事を多く見ます。それは正しいと思いますが、Googleが公開しているアドセンスのプログラムポリシー、ウェブマスター向けガイドラインを読む限り、「ユーザにとっての有益なコンテンツ」は2つの要素を持っているように見えます。
コンテンツの内容そのものが有益な情報である(不正確でない、公序良俗に反しない、他の記事のコピーでない、など)
コンテンツが適切なHTML構造で記述され、Google検索で適切に提供される
今回書いたように、残念ながらはてなブログでは2の要素を満たすために工夫が必要と思われます。もしはてなブログで審査通過できず困っている場合、今回の記事がお役に立てば幸いです。
さて、アドセンスについて調べたこと、整理したことを書いたら3つの記事になってしまいました。審査基準非公開により推定表現が混じっていますが、可能な限り根拠となるデータをつけて整理し、その分析によって審査に通過したという実績があるので、多少は参考になるかと思います。
一通り書いてすっきりしたので、次回からは日常系の内容に戻して色々と書く予定です。