2021年に確定申告を実施したことを別記事に書きました。eTaxアプリ不使用に変わったなどの変更点もあるので、こちらの記事もご確認いただければと思います。
確定申告が、スマートフォンでできるようになっています。
今回は確定申告をスマートフォン (iPhone) で実施する方法をまとめました。
なお、この記事ではマイナンバーカードを持ち、署名用の電子証明書登録していることを前提としています。
マイナンバーカードを持っていない方はこちらの公式サイトを確認してください。
マイナンバーカード交付申請 – マイナンバーカード総合サイト
電子証明書についてはこちらに書きましたので、ご参考ください。
1. 前置き
確定申告についてご存知の場合は読み飛ばして「2. iphoneで確定申告する方法」からご覧ください。
1.1 確定申告とは?
国税庁の説明を引用します。
所得税の確定申告は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得の金額とそれに対する所得税の額を計算し、源泉徴収された税金や予定納税額などがある場合には、その過不足を精算する手続です。
会社に勤めている方の多くは、上記の調整手続きは会社でやってくれるので対応不要です。ただし、副業、会社では対応できない控除などが必要な場合は、個別に確定申告が必要です。
この記事では、以下に当てはまる方を想定しています。
・どこか企業に勤めていて、主な税金の手続きが所属企業によって行われる
・アドセンスやアフリエイトなど、勤めている企業以外に収益がある
・ふるさと納税を実施している
・住宅ローン減税、医療費控除などがある
わかりやすくするため、あえて1.2に見出しを付けました。上記と同じ意味です。
1.2.【副収入あり and (ふるさと納税実施 or 控除あり) 】アドセンス、アフリエイトで収益が出た場合、確定申告は必要か?
税金納め過ぎ、あるいは脱税を防ぐため、確定申告した方がよいです。
ここで、ふるさと納税には「ワンストップ特例」という仕組みがあり、この仕組みが使える条件を満たしている場合、確定申告不要で住民税の納付額から寄付金額が控除されます。
確定申告の不要な給与所得者等がふるさと納税を行う場合、確定申告を行わなくてもふるさと納税の寄附金控除を受けられる仕組み「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が創設されました。
特例の申請にはふるさと納税先の自治体数が5団体以内で、ふるさと納税を行う際に各ふるさと納税先の自治体に特例の適用に関する申請書を提出する必要があります。
引用:総務省|ふるさと納税ポータルサイト|トピックス|制度改正について(2015年4月1日)
参考情報:ふるさと納税ワンストップ特例制度入門ガイド | ふるさと納税サイト「さとふる」
しかし、ワンストップ特例は、給与以外の所得の申告をすると無効化されるので、確定申告手続きの寄付控除で再度入力が必要になります。
参考:【ふるさと納税未実施、各種控除なし】アドセンス、アフリエイトで収益が出たとき、確定申告は必要か?
所得が20万円未満であれば確定申告は不要です。
しかし、住民税の納付手続きは必要です。
所得が20万円未満、ふるさと納税未実施、ほかに副業や控除が不要の人は、住民税納付だけを実施します。 その手順はこちらの方の記事が詳しいです。
この場合にあてはまりそうと思った場合、まずは市区町村の役所で確認すると確実です。
2. iPhoneで確定申告する方法
まず、公式HPの説明がわかりやすく確実なのでそちらをご覧ください。34ページありますが、手順を1つ1つスクリーンショット付きで説明してくれています。
http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/r1_smart_shinkoku/pdf/nyuryoku_nagare_ip.pdf
2.1 大まかな考え方
少しややこしいので、始めに大まかな考え方を整理しました。
・いろいろな入力はアプリではなく、Safariで表示したWebブラウザのページ内で行う
・マイナポータルとetaxアプリはインストール必須。紹介された手順の中でインストールしてもよいし、確定申告の手続きを始める前に事前にインストールしてもよい
・確定申告手続きにおいて、マイナポータルアプリは、マイナンバーカードの認証処理に使う
・etaxアプリは、確定申告の送信処理に使う
専用アプリだけで進めるのかと思っていましたが、2つのアプリは手続きを進めるための補助的な役割です。そのため、確定申告の手続きを進める中で、Safari、マイナポータル、etaxアプリを行き来することがあります。
2.2 実際の手順
公式HPを見るのが確実です。スクリーンショット付きなのでわかりやすいです。
大雑把に書くと、このようになります。
・(P.1-2) 確定申告コーナーのページから開始、アプリインストール
・(P.3-11) マイナポータルアプリと連携して、マイナンバーカードを読み取って本人であることを認証
・ (P.12-17) 利用する税務署とマイナンバー情報を紐づけ
・(P.18-22) 認証状態のSafariの画面で必要事項を入力 (P.23-34はマイナンバーカード情報の紐づけに関する補足説明)
・etaxアプリから確定申告の入力結果を送信
ページは下記pdfの通りです。
http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/r1_smart_shinkoku/pdf/nyuryoku_nagare_ip.pdf
etaxアプリから結果送信の手順だけ、マニュアルを見つけられませんでしたが、手順通りに進めればできました。
補足説明
・途中で「令和元年分ですか?」は「はい」を選択します。(この記事執筆時点では令和2年で、確定申告の対象は令和元年です)
・「いいえ」を選ぶと、その先の入力画面が出ず、PC用の画面が出てしまいます
・この後で自分の氏名、住所の入力欄がでます。これはマイナンバーカードと連携していると思ったのですが、自分で入力しました。
・途中、住民税の納付方法について選択する画面が出るので「自分で納付」か「給与天引き」を選びます。
全て終わると、納税か還付かの結果と金額が出ます。また、税務署で手入力するときの用紙相当のレイアウトに所得、控除、納税額などが全て入力されたpdfが表示されます。
これを確認して問題なければ、送信します。最後にetaxアプリを開いて、ここから送信すると完了です。
3. その他補足
3.1 Androidへの対応状況
こちらに対応機種の一覧があります。Sharp, 富士通, Sony, Samsung, Googleなどであれば大体対応しています。
https://www.jpki.go.jp/download/pdf/startupguide.pdf
しかし、こちらの説明によると、Androidスマートフォンの場合、iPhoneのように単体では使用できず、WindowsPCの連携が前提になります。
引用:https://www.jpki.go.jp/download/pdf/startupguide.pdf
Androidの場合は、PCが主体になり、スマートフォンはカードリーダとしての役割だけのようですね。
3.2 ふるさと納税の入力について
納付日、場所 (都道府県、市区町村の順番に選んでいくと候補が出るので選択)、寄付金額を入力していくだけでした。
ワンストップ特例では、ワンストップ特例申請書を寄付先の自治体に郵送する必要があり、確定申告とは別の手間がかかります。
切手と封筒を準備する手間を考えると、こちらの方が楽かもと思いました。
4. おわりに
iPhoneでの確定申告は初めてでしたが、入力項目が少ないためか、思ったよりも簡単にできました。
初めてだったのでアプリインストールとか初期準備も合わせて合計1時間くらいかかりました。
しかし、自分の中ではもっとかかると思っていたし、税務署に直接行って手続きする手間を考えるとかなり良かったと思います。
最初はPC向けのリーダーを準備してWindows10でやるつもりでしたが、アドセンスとふるさと納税、医療費控除くらいであればiPhoneでも十分できました。
以前書いたように、マイナンバーカードの普及率は高くないようですが、これならばカードを持ってもいいなと思いました。